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使わない田んぼはどうする?活用方法と注意点について解説

<監修者>

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縄田 良太

「センチュリー21 住販」代表取締役。売り主様の希望をよく聞き、緻密に考え抜いた販売戦略で売却することを大切にしています。地元に根ざした経営スタイルが強み。
保有資格:宅地建物取引士

使わない田んぼを所有している方の中には、今後どのように田んぼを活用すべきか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

実は、田んぼをそのまま放置すると、遊休農地や耕作放棄地となり、固定資産税が高くなるだけでなく、近隣とのトラブルにもつながる可能性があります。

そのようなトラブルを防ぐためにも、持っている田んぼをうまく活用することが大切です。この記事では、使わない田んぼの活用方法と注意点についてわかりやすく解説します。

使わない田んぼを放置するリスクは?

使わない田んぼを放置すると、遊休農地や耕作放棄地となり、さまざまな問題を引き起こします。

遊休農地とは、現在も今後も農地として使われない土地や地区で他の農地と比べて明らかに活用されていない農地です。

耕作放棄地も遊休農地と同じような意味ですが、特に、過去1年以上作付けしていない耕地で今後数年間は耕地する予定のない耕地のことです。

遊休農地や耕作放棄地になった場合でも税金が発生します。また、相続登記が義務化されているため、田んぼを相続した場合、早めに手続きを行わなければ、将来的に相続税を負担しなければいけない可能性もあります。

以下に、田んぼを放置するリスクについて詳しく解説します。

固定資産税が高い

使っていない田んぼも、所有している限り固定資産税が発生します。通常、農地として利用されている場合は比較的低い税率が適用されますが、放置された田んぼが「遊休農地」と認定されると、税率が引き上げられます。

通常の農地の固定資産税の評価額は、売買価格×0.55(限界収益率)です。しかし、平成29年に農林水産省が、遊休農地の課税の強化を実施したことにより、遊休農地は0.55の減税が適応されないため、評価額や前年度の課税標準額が多くなります。

使わない田んぼを放置しておくと、高い固定資産税を支払い続けなければいけないため注意しましょう。

不動産売却時の税金について、より詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
▶︎不動産売却にかかる税金は?注意点や対策について解説

相続登記が義務化される

2024年から相続登記が義務化されました。これにより「相続の開始および所有権を取得したと知った日から3年以内」に相続登記をしなくてはなりません。もし、期間以内に、相続登記をしなかった場合には10万円の過料を求められる可能性があります。

このようなリスクを避けるために、田んぼを放置せずに、相続が発生した時点で速やかに登記手続きをしましょう。無駄なお金を支払うこともなく、田んぼの活用や売却がスムーズに進むだけでなく、将来的なトラブルも防げます。

近所トラブルになる

田んぼを長期間放置すると、雑草が生い茂ったり、害虫が発生したりして、荒廃地になる可能性があります。

このような状態になると、周囲の農地や住宅地に悪影響を及ぼし、近隣の土地所有やと近所トラブルが発生し、場合によっては法的な措置を取られることも考えられます。

近所トラブルを防ぐためにも、定期的に管理を行うか、適切な活用方法を見つけておくことが必要です。

使わない田んぼを活用する方法

使わない田んぼを活用する方法は、農地として貸し出す方法や農地バンクに預ける方法などがあります。ここでは、使わない田んぼを活用する方法についてわかりやすく解説します。

知人に農地を貸す

まずは知人や親戚に声をかけてみましょう。農地を探している方がいれば、農業委員会や都道府県の許可を得ることで、個人間での契約で田んぼを貸し出すこともできます。手続きが比較的簡単で、知り合いに貸し出せるため、安心して任せられます。

農地バンクに預ける

借り手が見つからない場合は、農地バンクを利用するのも1つの方法です。農地バンクは、自治体が運営しており、農地の賃貸や売買をサポートする制度です。貸し手と借り手をつなげてくれるため、安心して農地を預けられます。

市民農園に貸し出す

田んぼを整備して市民農園として貸し出す方法もあります。市民農園の開設には、市民農園整備促進法や特定農地貸付法、農園利用方式の3つを理解しておくことが大切です。

農園利用方式相当数の方々を対象として、定型的な条件でレクレー ションその他の営利以外の目的で継続して行われる農作業の用に供するもの
特定農地貸付法農地を農業者以外の者に貸付けること
市民農園整備促進法市民農園の整備を適正かつ円滑に推進するための措置を講ずることにより、健康的でゆとりある国民生活の確保を図るとともに、良好な都市環境の形成と農村地域の振興に資する

このように市民農園の開設には3つの方法があります。それぞれ目的や内容も異なるため、市民農園に貸し出す際には、何を目的に貸し出すのか明確にしておくことが重要です。

農地以外での活用方法

農地以外でも、田んぼを駐車場や住宅地に転用したり、太陽光発電施設や高齢者施設として活用したりする方法もあります。ここでは、農地以外での活用方法についてわかりやすく解説します。

駐車場を経営する

人口が多い地域にある田んぼなら、農地転用を行い、駐車場経営を検討するのもよいでしょう。駐車場経営は、初期投資が少なく済むことが多く、月極駐車場として運営することで、安定した収入を得られる可能性があります。

しかし、周り商業施設などが少ない状況では、駐車場として需要がない可能性もあります。立地条件などを確認して、収入が得られる見込みがある場合に検討しましょう。

高齢者施設として貸し出す

超高齢化社会に備え、田んぼを整地して高齢者施設を建設するのも有効な活用法です。

老人ホームや介護施設、デイサービスなどの施設を建設すれば、地域の高齢者を支えつつ安定した利益を得られる可能性があります。

しかし、高齢者施設を立てるには多額な初期費用と高度な専門知識が求められます。必ず専門家に相談した上で検討しましょう。

太陽光発電の設置

広い土地を活用して太陽光発電を設置することで、発電した電気の自家消費や売電ができます。ただし、太陽光発電は、立地条件も重要です。日当たりはいいか?日照時間が長いか?など、設置する場所が太陽光発電に適しているか事前に確認しましょう。

住宅地にする

田んぼを住宅地に転用し、個人用の住宅や賃貸マンションを建設するのもよいでしょう。田んぼは、平地であることが多いため、整地にかかる費用も少なく、住宅用地として転用しやすい特徴を持っています。その場所に建物を建てたいと考えている個人や法人がいた場合は、売却するのも1つの手段です。

使わない田んぼの処分方法は?

田んぼの処分方法は、田んぼのまま売却する方法や農地転用をして売却する方法などがあります。しかし、それぞれ手続きの内容が異なるため注意が必要です。

どの処分方法が適しているかは、土地の立地や市場状況を考慮しながら選択しましょう。ここでは、使わない田んぼの処分方法について解説します。

田んぼのまま売却する

田んぼをそのままの状態で売却する場合、譲渡相手は農業者に限定されます。また、売却には農地法に基づく許可が必要になるため、さまざまな手続きが必要です。

田んぼのまま売却する際は、事前に農業委員会などの専門家に相談しましょう。スムーズに売却するためにも、地域の不動産会社や農業委員会と連携を図ることが重要です。

農地転用して売却する

農地転用をして売却することで、土地活用の幅が広がるため買い手にアピールしやすくなります。そのため、比較的幅広い層から買い手を探せる点が大きなメリットです。

田んぼの活用、処分する際の注意点

田んぼの活用や処分には、その方法によって必要な手続きが異なるため注意が必要です。特に、土地の種類によっては転用できない可能性もあるため、事前に把握しておきましょう。ここでは、田んぼの活用、処分する際の注意点についてわかりやすく解説します。

田んぼの転用は土地の種類によってできない可能性がある

田んぼの転用を検討する際、すべての土地が転用できるわけではありません。田んぼとなっている土地には3つ種類があります。

土地の種類制限
第1種農地原則不許可集団農地土地改良事業対象農地生産性の高い優良農地
第2種農地第3種農に地立地困難な場合に許可土地改良事業の対象となっていない小集団の生産力の低い農地
第3種農地原則許可市街地にある農地

このように、農地法によって保護されている優良農地や環境保全地域に指定されている土地は、転用が厳しく制限されています。第1種農地に該当する土地の転用は、原則不許可であるため、農地転用ができません。田んぼを農地転用する際には、事前に該当する土地の種類を確認しておきましょう。

田んぼを転用する際は届出が必要

田んぼを他の用途として転用する際には、農業委員会への届出や都道府県知事の許可が必要です。届出を怠ると、違法転用として罰則を受ける可能性もあります。転用を計画する際には、早めに専門家や行政機関に相談し、適切な手続きを行いましょう。

使わない田んぼの周辺環境に合った活用をしよう

田んぼを活用する際は、土地の周辺環境に合った方法を選ぶことが重要です。

仮に、人口が少ない地域で駐車場や住宅地として転用したとしても、利益にもならない可能性があるでしょう。逆に市街地に近い場所では、商業施設や住宅地としての活用が適している可能性があります。

土地の特性をよく理解し、地域のニーズに合った活用方法を選ぶことで、今後使わない田んぼを有効活用できます。

また、農地転用を行う場合は、土地の種類によって許可がおりない場合もあるため、事前に不動産会社などの専門家に相談したうえで計画を立てましょう。

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