近年、土地価格の上昇やライフスタイルの変化により、家の売却を検討する人が増えています。しかし、「どんな家が高く売れるのか」「持ち家を少しでも高く売るにはどうすればいいのか」と悩む方も多いでしょう。
この記事では、高く売れる家の特徴や、売却成功のための戦略、売却時の注意点について解説します。高く売れる家の特徴や注意点を事前に把握することで、売却時に大きな損をしないよう計画的に売却準備を進められます。
高く売れる家の特徴
高く売れる家にはいくつかの特徴があります。ここでは、築年数、設備、立地という3つの観点から、高く売れる家の主な特徴を解説します。
築年数が浅い
築年数が浅い家は、買い手からの評価が高く、売却価格も上がる傾向にあります。特に築10年以内の家は、価値が比較的維持されており、大きな修繕費用も不要なため、買い手にとって大きな魅力です。
一方で、公益財団法人東日本不動産流通機構によると、築30年超の物件も成約件数・成約単価がともに増加傾向にあることがわかります。不動産流通市場の動向を下記の表にまとめました。
項目 | 中古マンション | 中古戸建て住宅 |
成約件数の変化 | 築30年超は微減、築30年以内で大幅増加もあり | 築30年超で大幅増加、築浅で大幅減少 |
成約単価の変化 | 築年数に関係なく上昇傾向 | 築浅・築古ともに上昇、築浅の上昇率が高い |
成約増減の要因 | リフォーム可能性や立地重視 | 土地価値や資産価値が影響 |
築浅物件の需要 | 減少は少ない | 減少が顕著 |
築古物件の需要 | 一定の需要あり | 土地活用目的で需要増加 |
近年は築年数が経っていても成約件数が増加傾向にあるものの、築年数が1年経つにつれ住宅の価値が減少することに変わりありません。売却を検討しているのであれば、できるだけ早い段階で計画を立てることが重要です。
設備や間取りが充実している
デザイン性の高い間取りや最新設備を備えた家は、売却価格が高くなりやすいです。
例えば、省エネ性能を持つ設備や、「新耐震基準」に適合した住宅は、買い手が住宅ローン控除を受けられるため、買い手にとって大きなメリットとなります。
さらに、床暖房や食洗機など、生活を豊かにする設備も、購入の決め手となることが多いです。
また、ハウスメーカーの住宅の場合、長期保証制度を採用しているところが多く、アフターメンテナンスが充実していることもアピールポイントになります。これらの要素が揃うことで、家の価値は高まり、結果として売却価格も向上します。
立地条件がいい
家の立地は、価格を決めるうえで最も重要な要素の一つです。
例えば、近くに大型ショッピングモールがある、学校や公園が近いなどの物件はファミリー層に人気です。
人気エリアや再開発予定地の物件は、将来的な資産価値の上昇が期待できるため、売却価格も高くなる傾向にあります。
近年では、郊外に大規模商業施設が増え、都心部から周辺地域へ人口が移動する「ドーナツ化現象」の影響もあり、以前は不便だと思われていた地域でも高値で売却できる可能性もあるでしょう。
高く売れる家にするための戦略
家を高く売るには、計画的な準備と効果的な戦略が必要です。ここでは、不動産会社の選び方、リフォームの活用という2つの戦略を紹介します。
売却に強い不動産会社を見つける
不動産会社によって売却活動の質や専門性は大きく異なります。家を高く売りたい方は、慎重に不動産会社を選びましょう。
具体的には、過去の売却実績や、担当者の専門知識、提案力などを比較検討することが大切です。複数社に査定を依頼し、それぞれの会社の強みや特徴を見極めましょう。信頼できる不動産会社を選ぶことで、売却活動をスムーズに進められるだけでなく、より高い価格での売却も期待できます。
リフォームをして売却価格を上げる
売却価格を高めるには、リフォームによって家の印象を向上させるのも有効な手段です。なぜなら、リフォームによって家の機能性や見た目を改善できれば、買い手の購買意欲を高めることができるからです。
ただ、家中をリフォームすると高額な費用がかかってしまうため、効果的な箇所に絞ってリフォームすることをオススメします。
特に水回りのリフォームや、壁紙の張り替えなどは、比較的小さなコストで印象を大きく変えられます。また、内覧時の印象を良くするために、リフォームよりも低コストなハウスクリーニングを活用するのもひとつの手段です。
これらのリフォームやメンテナンスを行うことで、家の魅力を最大限に引き出し、売却価格の向上につなげることができます。
売却時のリスクと注意点
家を売却する際には、税金やオーバーローンなど、事前に知っておくべきリスクや注意点があります。これらを把握しておくことで、売却時のトラブルを回避し、損しないように計画を進められるでしょう。
売却時に発生する税金と諸費用を準備する
家の売却時には、税金や諸費用が発生することを事前に理解しておく必要があります。なぜなら、これらの費用を考慮せずに売却を進めると、結果的に手元に残る金額が少なくなる可能性があるからです。売却時に支払う費用には以下のものが挙げられます。
【必ず払う費用】
印紙税と消費税
【売却益に対する費用】
譲渡所得税
【不動産会社に支払う費用】
仲介手数料
譲渡所得税は、3,000万円の特別控除を活用することで大幅に軽減できる可能性があります。事前に税理士などの専門家に相談し、節税対策を講じることで、売却益を最大限に確保できます。
家の売却時にかかる税金について詳しくはこちらもご覧ください。
不動産売却にかかる税金は?注意点や対策について解説
オーバーローンで損失が出る可能性もある
オーバーローン状態での売却は、損失を招く可能性があるため注意が必要です。オーバーローンとは、売却価格が住宅ローンの残債を下回る状態のことです。この状態になると、ローン残債との差額を自己資金で補填する必要があります。
売却前にローンの残高と売却予想価格を正確に把握し、オーバーローンにならないか確認しておきましょう。
もしオーバーローンになる可能性がある場合は、事前に金融機関に相談し、売却後の資金計画を立てる必要があります。これらの準備を怠ると、思わぬ損失が発生する可能性があるので注意しましょう。
家を高く売る方法
家の売却には、需要が高まる時期を狙うことが大切です。需要が高まる時期には、買い手が集まりやすく、より高い価格で売れる可能性が高まるからです。
転勤や入学などの引越しシーズンである2月や3月は、買い手の動きが活発になるため、売却に適した時期と言えます。
このシーズンに売却する場合、ハウスクリーニングやリフォーム、不動産会社の内覧時期を12月〜1月に行うなど、売却予定時期から逆算して計画を立てる必要があります。また、不動産市場の動向も考慮しながら、売却時期を慎重に検討することが重要です。
適切な売却価格を設定する
適切な売却価格を設定することは、売却を成功させるうえで不可欠です。価格設定が相場から大きく外れていると、買い手からの反応が得られず、売却が長期化する可能性があるからです。
不動産会社の査定結果を参考に、周辺の類似物件の価格相場を比較検討しながら、売却価格を決定する必要があります。また、市場の動向や買い手の反応を見ながら、価格調整を行うことも重要です。
家を高く売りたい方は専門家に相談しましょう
家の売却を成功させるためには、不動産市場の動向や需要の高まる時期、適正価格を見極めることが大切です。しかし、不動産の売却には専門的な知識が必要であり、個人で対応するには限界があります。
不動産会社や税理士などの専門家に相談することで、売却に関する疑問や不安を解消できるだけでなく、よりスムーズで有利な売却活動を進められます。ご自身の希望を伝え、専門家と協力して売却活動を進めていきましょう。
もし、売却についてお悩みがあるようでしたら、ぜひ一度弊社にご相談ください。有限会社住販は、お客様の想いを大切に、最適なプランをご提案する「売却に強い不動産屋」です。 なお、ご相談は無料です。些細なことでもお気軽にご相談ください。