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【専門家監修】不動産売却の理由は言うべき?うまく伝えるポイントについて解説

<監修者>

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縄田 良太

「センチュリー21 住販」代表取締役。売り主様の希望をよく聞き、緻密に考え抜いた販売戦略で売却することを大切にしています。地元に根ざした経営スタイルが強み。
保有資格:宅地建物取引士

不動産を売却する際に、売却理由を正直に購入希望者に伝えるべきか、迷う方も多いでしょう。

特に、家に欠陥がある場合や、マイナスな理由で売却を考えている場合、正直に言うべきかどうか悩んでしまうのではないでしょうか。しかし、売却理由を隠していると告知義務違反になる可能性もあるため注意しましょう。

この記事では、専門家の視点から、不動産売却時に理由を伝える際の注意点や伝え方について解説します。

質問:不動産売却の理由は言うべき?

一軒家を所有していますが、少しだけ雨漏りしている箇所があります。売却を検討していますが、その雨漏りの事実を購入希望者に伝えるべきか悩んでいます。

正直に告知してしまうと家の価値が下がるのではと不安を抱える一方で、「黙っていればバレないかもしれない」と考えてしまいます。こんな時、どうしたらいいですか?

回答:告知義務違反になるため正直に伝えましょう

売却理由や物件の状態については、正直に伝える必要があります。特に、雨漏りのような不具合を隠すことは、法律的に問題が生じる可能性があり、後々大きなトラブルになることもあります。

確かに、売り手に不利に働く理由を伝えることで、売却する際に物件の価値が下がるリスクを心配されるかもしれません。しかし、事前に不具合を正直に告知し、修繕計画や費用負担の提案などの解決方法を提示すれば、購入希望者も安心して物件を検討できます。

また、そうした問題点を修繕済みであれば、逆に「問題をきちんと解決している」という印象を与え、購入者に好意的に受け取られる可能性も高いでしょう。

以上の理由から、不具合については、隠さず正直に告知することが最善の方法です。売却後に発生するトラブルや法的責任を回避するためにも、正直な情報提供を心がけましょう。詳しくは以下で説明します。

告知義務とは?

家を売る際には「契約不適合責任」に基づく告知義務が売主に課されます。これは、売却する物件に欠陥や不備がある場合、その事実を購入希望者に告知しなければならないというものです。契約書に記載されている条件に反する物件を売却した場合に、売主が責任を負わなければいけません。

例えば、契約書に記載のない欠陥が物件に存在する場合を「瑕疵(かし)」と呼び、物件引き渡し後でも売主に責任が発生します。この責任は、売主が知らなかった場合でも免除されることはないため注意しましょう。

以下に、4種類の瑕疵について表でまとめたのでご参照ください。

瑕疵の種類説明
物理的瑕疵物理的な欠陥(雨漏り、シロアリの被害、ひび割れなど)
心理的瑕疵事故物件など、心理的に住みにくいとされる事情
法的瑕疵法律に違反する状況や、建築基準法違反などの法的な問題
環境的瑕疵周囲の環境による問題(騒音、悪臭、治安など)

瑕疵には4種類あり1つでも該当するものがあれば、告知する必要があります。そのため、物件に関する瑕疵の内容を正確に把握し、購入者に対して適切に情報を伝えることが非常に重要です。

売却後のトラブルを防ぐためにも事前に不具合を伝えておくようにしましょう。

瑕疵に該当しない理由は話す必要はない

家を売る際、瑕疵に該当する欠陥や不備は正直に伝える必要がありますが、私的な理由やプライベートな事情までは詳しく話す必要はありません。

例えば、離婚や家族の事情で引越しすることになった場合など、できれば人に話したくないこともあるでしょう。

プライベートな理由は告知義務に該当しませんので、伝えるかどうかは自由です。瑕疵に該当したい売却理由まで正直に答える必要はない点は覚えておきましょう。

不動産の購入者が気にしていること

購入希望者にとって家は大きな買い物です。そのため、様々なポイントに注意して慎重に選びます。購入者が特に気にしていることを把握しておくことで、売却活動ができます。ここでは、不動産の購入者が気にしていることについて解説します。

1.縁起が悪くないか

家にまつわる過去の出来事や、周囲の環境が縁起を気にする方が多いです。例えば、過去に物件で事故や事件があった場合、そのような物件は「事故物件」として認識され、購入を避ける傾向があります。

また、地域や物件の歴史によっては、風水や迷信に基づいた心配をする人もいます。縁起を気にする方から売却予定の不動産がどのように見られるか常に気にしておくとよいでしょう。

2.売主を信用できるか

購入者は、物件だけでなく売主への信頼も重視します。これは、購入者が安心して取引を進めるために重要なことです。

もし、売主が売却の理由や物件の状態に関して嘘や隠していることが発覚すれば、取引が破談になるだけでなく、今後のトラブルにも発展する可能性があります。

また、売却理由について「もっといい家に引っ越すため」といった表現をした場合、購入希望者が「この家は何か問題があるのではないか」と感じるかもしれません。そのため、理由を正直に伝える場合でも、購入希望者からの信頼を損なわない言動を心がけましょう。

3.物件に不備や問題がないか

購入者は、物件自体に不具合や欠陥がないかを慎重に確認します。特に、雨漏りや構造の問題、設備の故障といった物件の不備は、購入後に大きな出費やトラブルに繋がるため、特に重要視されやすいポイントです。

これらの問題が事前に告知されていなかった場合、法的措置に発展するケースもあるため注意しましょう。

不動産売却の理由で購入者に印象よく伝えるポイント

売却理由がネガティブなものであっても、伝え方次第で相手に好印象を与えることもあります。ここでは、告知義務を果たしながらも、印象を悪くさせない伝え方を紹介します。

利点と欠点を同時に伝える

売却理由を伝える際には、家の利点と欠点をバランスよく伝えることが効果的です。

例えば「駅から近いのは便利だが、電車の音が少し気になる」という場合「電車の音は聞こえるものの、駅から徒歩5分で非常に便利」といったポジティブな側面を強調して伝えると良いでしょう。

人によって住環境に対する価値観は異なるため、売主にとっての欠点が、購入者にとっては利点となる場合もあります。欠点だけが強調されないような伝え方を心がけると良いでしょう。

瑕疵の解決手段も合わせて伝える

雨漏りやシロアリ被害など、物件に瑕疵がある場合は、事前に購入希望者に正直に伝えた上で、解決策も一緒に提示すると安心感を与えます。

例えば「この物件には雨漏りがありますが、リフォームで修繕が可能です」と伝えることで、購入者は安心して取引に進めやすくなります。

瑕疵の報告義務があるからといって、ただ報告するだけでは、ただネガティブな印象を与えるだけです。可能であれば、解決手段も伝えると印象がかなり変わるでしょう。

不動産会社の担当者に相談する

告知義務がある場合、まず不動産会社の担当者に相談することが大切です。プロの不動産業者であれば、経験豊富なため、法的な問題を避けつつ、どのように伝えるべきかのアドバイスをしてくれます。

購入者に伝えることに不安がある場合も、専門家のアドバイスを受けることで、適切な対処ができるでしょう。

不動産売却の理由は隠さず不動産会社に相談しよう

どんなに言いたくない理由があっても、故意に隠してしまうのはNGです。まずは、不動産会社に相談し、アドバイスをもらうようにしましょう。

不動産売却のプロからアドバイスをもらうことで、マイナスな理由をうまく伝えられる工夫ができる可能性もあります。

有限会社住販では、不動産売却に関するお悩みを受け付けています。今回のように瑕疵に該当する物件で、悩んでいる方や売却に不安を抱えている方にも、納得のいく売却プランを提案します。

相談は無料です。ぜひ一度お問い合わせください。

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