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知り合いに家を貸す際にやるべきことや注意点について解説

<監修者>

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縄田 良太

有限会社「住販」代表取締役。売り主様の希望をよく聞き、緻密に考え抜いた販売戦略で売却することを大切にしたスタイル。地元に根ざした経営スタイルが強み。
保有資格:宅地建物取引士

転勤や相続などで空き家が手元にある場合に、知り合いに家を貸すことを検討する方も多いでしょう。

しかし、家を貸すには、法律的な手続きやトラブルを避けるための契約書の作成などの準備が必要です。特に、知り合いだからこそ甘えが生じやすく、後々トラブルに発展することも少なくありません。

この記事では、知り合いに家を貸す際にやるべきことや注意すべき点についてわかりやすく解説します。

事例:不動産会社を通さず個人で家を貸したら後でトラブルに・・・

Cさんは、相続した家を空き家にしておくのはもったいないと考え、貸すことにしました。Cさんは不動産会社に頼まず、知人を通じて入居者を見つけ、インターネットで見つけた賃貸借契約書の雛形を使って自分で契約を締結しました。

最初の半年間は家賃も滞りなく振り込まれ、特に問題はありませんでした。しかし、入居者が退去した際に、家の一部に壁紙の剥がれや床の傷があったため、Cさんは修繕費を入居者に請求しようとしました。

しかし、契約書には修繕に関する詳細な取り決めが記載されておらず、入居者は「通常使用による劣化だ」として、修繕費の負担を拒否しました。Cさんは法的な対応を取ることも考えましたが、最終的には自分で修繕費を負担することになってしまったのです。

回答:賃貸借契約をきちんと作成することが重要

個人で家を貸すことは可能ですが、契約書の作成や法律の理解が重要です。

Cさんの事例では、契約書に修繕に関する詳細がなかったためトラブルが発生しました。個人で貸す際は、家賃や修繕の取り決めなどをきちんと明記し、賃貸管理にかかる手間も考慮する必要がありました。

トラブルを防ぐため、必要に応じて不動産会社のサポートを受けながら契約書を作成することも必要です。

個人で知り合いに家を貸せる?

自分が所有する家を貸す際に、特別な資格なども必要ありません。そのため、個人でも知り合いに家を貸すことは可能です。

例えば、転勤で一時的に住まいを空ける場合や、相続した家が空き家状態で放置されている場合、賃貸として活用するケースが増えています。

ただし、個人で貸す場合でも、トラブルを防ぐために、法的な手続きや契約書を作成したほうがよいでしょう。

知り合いに家を貸す際にかかる費用

知り合いに家を貸す際には、さまざまな費用がかかります。以下に、家を貸す際にかかる一般的な費用を表でまとめたので、ご参照ください。

項目
ハウスクリーニング費家を貸す前に清掃を依頼する費用。家の状態によってはクリーニングも必須
仲介手数料不動産業者を通じて契約を行う場合にかかる手数料
事務手数料賃貸契約に関連する書類の手続きを行う際の費用
損害保険料賃貸物件には、火災保険や家財保険の加入の費用
税金賃料収入が発生すると、その分の所得税がかかる

家を貸す際には、損害保険料の火災保険や家財保険などへ加入しておきましょう。また、賃料が発生すると所得税がかかるため、場合によっては、確定申告が必要になる場合もあります。

上記の他にも、家が古くリフォームが必要な場合は、リフォーム費用が必要です。例えば、壁の汚れも目立つ場合、住む人が気にして賃貸を拒否する可能性もあります。必要に応じてリフォーム費用が発生することも理解しておきましょう。

知り合いに家を貸す際にやるべきこと

知り合いに家を貸す場合、貸し出すだけでなく、さまざまな管理業務が発生します。以下に、知り合いに家を貸す際に管理すべき内容について表にまとめたのでご参照ください。

項目内容
建物内外の点検(設備、漏水、損傷等の確認)設備、漏水、損傷などを確認し、事前に修繕が必要な箇所を把握する
修繕が必要な場合の業者への依頼修繕が必要な場合、業者を手配し、問題箇所を改善する
家賃の請求および入金確認知り合いに家賃を請求し、期日までに支払いが行われているか確認する必要がある
入居者からの問い合わせやトラブル対応入居者(知り合い)からのトラブルや問い合わせに対応する必要がある
退去時の原状回復確認退去後、家が元の状態に戻っているか確認し、必要があれば修繕をする
新規入居者の募集広告作成次の入居者が必要な場合は、新しい入居者を募集するための広告作成が必要
賃貸借契約の締結手続き法的に問題が起こらないように、正式な賃貸借契約を結ぶ手続きを行う

このように、知り合いに家を貸す際には、細かい部分まで配慮しなければいけません。特に、建物内の損傷などの点検は、事前にしっかり把握しておかなければ、後でトラブルの原因になる可能性もあります。そのため、気になる箇所については、事前に把握しておきましょう。

知り合いに家を貸す際の契約方法を決めておく

家を貸す際には、契約方法を決めておきましょう。契約方法には「普通借家契約」「定期借家契約」「一時使用賃貸借契約」の3つがあり、それぞれ特徴が異なります。各契約の特徴については以下の表をご参照ください。

契約種類契約の特徴
普通借家契約一般的な賃貸契約で、借主が希望すれば契約更新が可能
定期借家契約契約期間が決まっており、契約満了後に更新がない
一時使用賃貸借契約一時的に利用する場合にのみ適用される契約で、用途が限定される

上記の通り、各契約内容によって契約更新のタイミングや方法が異なります。

例えば、定期借家契約は契約期間が決まっていて更新も必要ないため、一時的に家を貸したい場合におすすめです。

それぞれ3つの契約は内容が異なるため、自分たちに合った契約方法を選ぶようにしましょう。

知り合いに家を貸す際の注意点

知り合いだからといって、口約束で家を貸すのは危険です。なぜなら、家賃が滞ったり、家の中で損傷が発生した場合の費用負担が不明確だと、トラブルに発展する可能性もあるからです。ここでは、知り合いに家を貸す際の注意点について解説します。

契約書を作成する

契約書を作成しておくことで、貸主と借主の間に明確なルールを設け、トラブルを回避できます。口約束だけでは、後々の相違があった際に解決が難しくなるため、必ず書面で取り交わすことをおすすめします。契約書に記載すべき最低限の項目は以下の通りです。

  • 契約期間
  • 賃料および納付方法
  • 共益費や敷金の金額
  • 禁止事項
  • 退去時の原状回復義務
  • 連帯保証人の有無

上記の内容をしっかりと取り決めることで、貸主と借主の双方が安心して家の貸し借りができるようになります。

一時的に空き家を賃貸にするなら定期借家契約を結ぶ

もし、一時的に家を貸し出すのであれば「定期借家契約」を結ぶとよいでしょう。なぜなら、定期借家契約は、契約期間をあらかじめ設定しておくことで、契約終了時に貸主側の事情に合わせて物件を取り戻すことが可能だからです。

一方で、普通借家契約などの場合は、契約期間満了の際に賃借人が更新を希望すれば原則拒むことができません。そのため、転勤や引っ越しで家を一時的に貸し出す場合には、定期借家契約を結ぶことをおすすめします。

知り合いに家を貸す際のお悩みは不動産会社へ

知り合いに家を貸す際は、契約書の作成やトラブル防止のために不動産会社に相談するのもひとつの方法です。

契約書の作成や、賃貸に関する法律の知識が不安な場合、プロに依頼することで安心して貸せます。また、不動産会社は、空き家の管理や活用方法についてもアドバイスをしてくれるため、自分に合った活用方法を提案してもらえるでしょう。

しかし、この記事を読んでる方の中には、「賃貸ではなく、今すぐ不動産を売却したい」と考えている方もいるでしょう。そうした方は、売却に強い不動産会社に相談することをおすすめします。

有限会社住販では「空き家の活用方法がわからない・・・」「空き家のまま放置するなら誰かに住んでもらいたい・・・」などのお悩みも受け付けています。お客様の希望に合わせて最適なアドバイスをさせていただきます。

ご相談は無料です。ぜひ一度ご相談ください。

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